業務で使うノーコード型データベースの全体像と選定基準

・ 朝倉 凛

対象はAirtable、Notion、Baserow、Glide、NocoDBに限る。 価格と仕様は各社の一次資料に基づく。 資料に無い事項は推測せず、文言と数値だけを扱う。

どこまでを「データベース」とみなすか

業務で扱う範囲は、表形式のデータを作り、ビューやフォームで入出力し、権限で制御する道具だと定義する。 この定義に素直に当てはまるのはAirtableとBaserowとNocoDBである。 Notionは文書とデータベースを一体で扱う基盤で、文書機能が前提にあると資料から読み取れる。 Glideはデータ格納とUI生成を合わせてアプリとして配布する前提が強い。

この違いは費用設計と上限の現れ方に影響する。 座席数で費用が動く製品と、行数やストレージや実行量で頭打ちが来る製品で、構築の作法が変わる。 自社の配布形態と編集者の分布を先に決めておくと判断が容易になる。

料金設計と無料枠の違いを一次資料で比べる

座席課金か利用量上限か、その混合かが分岐点になる。 以下は資料本文に記された課金単位と代表的な数値だけを並べる。 価格と通貨は資料の記載を写す。

製品課金単位代表的な有料価格無料枠の位置づけ明記された上限や含みセルフホスト
Airtable編集権限のあるユーザー数Teamは$20/ユーザー/月(年払い)個人や小規模や軽量用途向けと記載読み取り専用・フォーム送信・共有リンクは課金対象外
Notionメンバー数Plusは¥1,650/人/月、Businessは¥3,150/人/月個人向けのFreeがあると記載データベース機能が含まれると記載、Plusはファイル無制限と記載
Baserow(Cloud)ユーザー数Premiumは$10/人/月(年額)、Advancedは$18/人/月Freeは個人と小規模向けと記載Freeは3,000行/WS、2GB/WS、2,000オートメーション、外部利用者500人不可(Cloud)
Glideチームメンバー数とクレジットBasic$25/月、Plus$50/月、Pro$125/月からFreeは可能性の確認用の位置づけと読める記載Freeはメンバー2人とプロジェクト10、Plusは公開アプリ5とプロジェクト20など
NocoDB該当なし(OSS)記載なしOSSとして無償の本体機能一覧は記載、上限の数値記載はなし可能

Airtableは有料プランでも読み取り専用やフォーム送信が費用に含まれないと資料は述べる。 Baserowは行数とストレージとオートメーションをワークスペース単位で明示している。 Glideはプロジェクト数や公開アプリ数とクレジットが前面に出る設計である。 NocoDBは価格表ではなく機能ドキュメントが中心で、自己ホストの前提が伝わる。

表現の差が実務で効いてくる箇所

資料の文言差が契約や設計に波及しやすい箇所を挙げる。 いずれも一次資料の書きぶりが根拠であり、機能の優劣の話ではない。 解釈が割れると、費用や配布方式の見積もりがずれる。

用途別に選ぶ判断と留保

判断は編集者の数、配布形態、必要な上限の明示度、運用体制の四つに分解できる。 座席課金は編集者の少なさが武器になり、利用量上限は見積もりの透明性が武器になる。 自己ホストは自由度と可用性の責任が交換条件になる。

最後に、どれを選んでも見直しの余地を残す契約にしておくと安全である。 座席数や行数やクレジットのどれがボトルネックになるかは、実データと運用でしか見えてこないことがある。 資料に明記された上限と課金単位を契約文書に写し込むと、後日の解釈違いを減らせる。

この話題の個別記事

出典

  1. Pricing - Airtable — Airtable (一次情報)
  2. Pricing — Notion — Notion (一次情報)
  3. Pricing — Baserow — Baserow (一次情報)
  4. Pricing — Glide — Glide (一次情報)
  5. NocoDB Documentation — NocoDB (一次情報)
  6. Baserow Documentation — Baserow.io (一次情報)